痛みは優しさのもと
人は他人の気持ちを本当に理解することはできない。
人は過去の自分の体験をもとに相手の気持ちを推測することしかできない。
だとするなら、色んな痛みを知らない人は他人の痛みも理解できない。
また人の痛みが分かってこそ、人に心から優しくできる。
たくさんの痛みは誰かへの優しさへと変わり、優しさはその誰かの心に安寧をもたらす。
今回オレは痛みを昔経験していたことを忘れていた。
昔、遠距離恋愛でされて嫌だったことをそのまま彼女にしてしまっていた。気づかぬ内に。
でも最近そのことに気づき、それは彼女が分かれたくなるのも分かるなと、別れを納得できた。あの時は遠距離で不安定になった相手から怒り、悲しみのこもった不満、批判をメールや電話で受け、でも何とか関係を続けようと耐えて、相手の気持ちに応えられるよう努力していた。でもそれはかなりの負担で、耐えている半年くらいの間ずっと下痢と微熱が続き、精神的に弱っていった。そしてその内、相手からの連絡が重く、辛く感じるようになっていった。
この体験を思い出せていれば違う未来もあっただろうと今にして思う。
でもこの体験が辛過ぎたから思い出さないように記憶の奥深くにしまっていたのだから思い出せないのも仕方なかったか。
でももし、次に遠距離をすることがあれば同じ轍を踏まない。相手の痛みが分かるから。今回のことで心に刻まれたから。
きっと彼女は昔のオレと同じようにメールなどが来るのが気が重くて、毎日辛い気持ちだったのだろうな。あの気持ちは好きに先行して、もう終わりにしたいと思わせるに十分すぎるほど、辛い。
でもこれでやっと前に進める。今までなんだかんだ言いながら彼女の気持ちが理解できずに別れに納得できずに悩んでいた。でも気づけたから。もう悩まない。別れは悲しいが、理解できる。
先へ進もう。成長しよう。
次の人には辛い思いをさせたくないから。
この痛みを優しさと寛容に変えていこう。